人参湯とその派生処方
四逆湯もしくは四君子湯からの派生処方の人参湯。
桂枝+32→82。
低血圧で虚寒症の方に。
【人参湯】
No.32(人参湯):人参、白朮、乾姜、甘草
適応:脾胃虚寒
附子理中湯から附子をのぞくと人参湯になる。これは補気剤の基本処方である四君子湯からの派生処方とも見ることができる。
脾胃虚寒の初期に用いる。効果不足ならブシ末を0.5g/回くわえるか附子理中湯を考慮する。
冷たいもので食欲不振や胃痛、膨満感、下痢になりやすく、四肢が冷えるタイプに適している。腹部の冷感がポイントで、温かいものを好む者に適しており、冷たいものが好きな者には投与を避ける。
【人参湯の派生処方】
No.82(桂枝人参湯):桂枝、人参、白朮、乾姜、甘草
適応:陽虚、虚寒
人参湯に桂枝をくわえたもの。頭痛や肩こりとともに四肢の冷えや低血圧、ふらつき、立ちくらみ、そして疲れやすく、食欲不振といった症状に適している。
陽虚のひとは血圧が低いことが多く、桂枝人参湯を2週間ほど服用すると、血圧が10くらいあがるといわれている。そして、それから随伴症状が緩和してくる。
【投薬時の注意点】
No.82(桂枝人参湯):手足のほてりやのぼせ、潮熱などの陰虚はさける。発熱時には休薬する。